新型コロナが4月から5類に

2023年4月から新型コロナが季節性インフルエンザと同じ感染症法第5類扱いになると報道されている。これでやっと、欧米のような社会運営になる。基本的には、新型コロナ前の社会に戻り、新型コロナはインフルエンザと同じ扱いで社会に定着するということだ。しばらくは、コロナの医療費負担は特例的に続く。半年前にはこの方針転換をしておくべきだったと思うが、やらないよりは良いのは間違いない。

法改正の必要がないと言われているので、省令によってすべての新型コロナ患者について、感染症法の2類相当(実際は1類準用)の対象から外すということだろう。ただ、本当に5類に組み込むのであれば、新型コロナは感染症法の新型インフル等に規定されているので、法改正が必要なはず。法改正なしで、新型インフルエンザ等感染症からどのように新型コロナを抜くのか気にはなる。

実際、現状では新型コロナは高齢者や基礎疾患がある人以外は、個人が自宅で検査して、陽性であれば陽性者登録センターにネットから情報を登録して、自宅療養して終わり、という状態で、基本政府はなにもしていないのと同じ。重症化リスクがある人にとっても、現状の登録センターを経由した医療の提供スタイルよりも、地域の病院で直接ケアしてもらう方が綿密な治療が受けられる。

海外の状況を追いかけているので、この転換ができたのだろうが、もし、これが日本特有の状況で前例・参考例がない場合だとすると背筋が寒くなる。欧米のデータに基づく迅速で的確な政策決定に比べて、日本は政治判断が遅く、事なかれ主義になっている。ゼロリスク症候群から早く脱しないと、今後の不安定な世界情勢を乗り切れないのではないかと心配になる。