日本では、新型インフルエンザそのものよりも風評被害による社会的損失のほうが大きいかもしれません。

修学旅行の中止とか、海外留学中の学生の帰国を認めないとか、過剰を通りこして異常に近いかも。そんなにするほどのリスクとして何を見積もっているのでしょう。

インフルエンザには、従来のA香港型、Aソ連型などすでに国内で蔓延しているものがあり、日本でも過去に旧型インフルエンザにより1年間に1万人ぐらい(超過死亡概念による)亡くなっている年が何度もあります*1。これまでの新型への感染者の経過を見ていると、従来のものとそんなに大差はなさそうです。

ということは、いかに感染させないかではなく、いかに感染者を手当てするかが大事なのです。いまは表に見えていませんが、旧型に混じって、もうすでに国内である程度新型の感染が広がっているはずです。いまのように、感染者を犯罪者のように扱っているとこれらが水面下に隠れてしまい逆効果です。

もし、これが強毒性の危険なウィルスだったら、国内感染者が数名出たところで、間違いなく国内でパニックが起きてしまいます。机上の空論を振り回さずに、人の心理をよく考慮して、パニックを避けることを第一にした政策をとることが、教育関係者を含めた行政側に対する次回(本番の新型鳥インフル)への宿題になったのではないでしょうか。