16日に新型インフルの日本国内の感染が確定しました。
(http://mainichi.jp/select/science/swineinfluenza/news/20090516dde001040040000c.html?link_id=RSH05)

機内検疫による水際作戦はそもそも効果がないということが、あらためて明らかになったわけです。

前にも書いたように、潜伏期間が1週間程度あるのですから、帰国の時点で検査してもすべての保菌者の発見は絶対に不可能なのです。どう考えても、検疫での保菌者の発見率は1〜2割程度しかなくて、あとはすべてスルーになります。

結局、歩留まりが悪いことに人と時間をかけるよりも、単に入国・帰国の際に、健康状態に関するアンケートに答えてもらって、発熱などの症状があったときの対策や連絡先を教えておくだけで十分なのではないでしょうか。空港での集団隔離とかまったくばかげています(他に何倍もの数の保菌者が多数スルーされているのですから)。

それよりも、新型・旧型にかかわらず、全国各地でのインフルエンザの患者への治療体制を整えておくことが大事です。日本中様々な経路で感染が広がっているかもしれないのですから。もっと淡々と発見と治療を行っていけばいいのです。

いまのように、マスコミが新型のインフルエンザをセンセーショナルに扱っていると、変な誤解や混乱(最悪社会パニック)が起きます。マスコミが感染経路の追及と解説とかしても無意味です。犯罪事件の犯人探しのようになってしまいます。発病者は犯罪者ではないのですから。

それから「濃厚接触」ということばも新聞には向かないような気がします。医療用語のclose contactの定訳なのでしょうけど新聞では単に「接触」で十分です。日本語の「接触」は限りなくclose contactに近いイメージを伝えます。