ラムダ型とワクチン

ペルーで流行中のラムダ型に対してワクチンの効果が低下するのではという報道が出ていて不安になりますよね。

 

コロナの変異種が出るたびにワクチンが効かないのではという不安をあおる報道がでます。このときの表現は決まって、効果が低下する可能性がある、というもの。実際は、他の変異種同様、どのワクチンもラムダ型に対して重症化を防ぐ効果があるとのレポートがペルーの国立衛生研究所から出ています。ラムダ型自体は昨年の11月から存在すると書かれているので、そんなに最近の変異種というわけでもない。

 

なお C.37 はラムダ型の別名。

 

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だいたい、○○の可能性があるという表現で、まるでそうであるような印象を伝えて不要な不安を煽るのはジャーナリストとしていかがなものか。確かに未知のものなので、○○の可能性はありますが、医学的に何%程度の可能性があるかについても言及してもらいたいものです。素人が10分ぐらい検索して見つかる情報程度のものは収集して、専門家の何人かにその情報をぶつけて、しっかり裏どりをしてから報道するのが基本中の基本だと思うのです。

 

イスラエルでも最近感染者が出たという報道があると、ワクチンが効かないのではという話になりますが、よく調べてみると、ワクチンを接種していない中高生に感染が広がっただけで、若年層にもワクチン接種を広げていかないと、という話なわけです。もちろんワクチンを接種していても10%ぐらいの人が感染することもありますが、要は感染による重傷者が増えなければいいので、ワクチン接種がある程度広がった後は、インフルエンザ程度の散発的な感染発生は許容していかないと、永遠に社会・経済活動を正常にもどすことはできません。医療面と経済面の被害を両方バランスさせないと、医療面だけで考えていると、飲食業や観光・旅行業に関係している多くの人たちの生活が立ち行かなくなっていまいます。