中国の態度が軟化しているという報道が続いているが、そうだろうか?

レアアースの実質的な輸出禁止の解除は、単に日本がWTOへの提訴するのを避けるためでしょう。中国は、将棋を指すように外交戦略を組み立てていて、レアアースカードが危なくなったので、一旦引っ込めて次のカードを切るつもりでしょう。このレアアースカードは、またいつでも切ることができ、(中国からみると)短期的な即効性効果がある。

実は、既に中国には次のカードがある。それが、中国国内のインターネットを管理しているcnnicによる、.cnドメインの審査。中国国内に日本企業の持っている多くの .com.cnドメインが10/1以降に接続できなくなる可能性がある。(http://security-journal.net/archives/3968
ネット上の未確認情報によると、すでに接続不能になっているサイトもあるようだ。
この措置は、9月の初めからアナウンスされていたが、日本企業に対して特に厳しい審査を課すことをカードとして使う可能性がある。

中国のゆずれない条件は、今回の中国船船長の逮捕に関して日本の法律が適用されたことを白紙撤回させることであり、この目標が満たされるまでは様々なカードを切って来るだろう。例えば、中国内での企業活動への制限や、日本人駐在員を贈賄といった様々な疑惑により拘留したり罰金を課す事件の多発が予想される。これらに対して、政府はどのような外交的な対抗策を打つのかを目に見える形で示して牽制しておかなければならない。だだし、くれぐれも軍事的な対抗策に流されないようにしなければならない。それは中国に外交で歯が立たないということを自ら認めたことになるからだ。