尖閣諸島の周辺の漁業協定については下記の記事に詳しい。

http://www.tanakanews.com/100917senkaku.htm

この記事によれば、これまで日中間の領土問題は棚上げするという日中平和友好条約締結時のトウ小平氏の提案が、尖閣周辺でもこれまで守られてきていた。それを漁船の拿捕という形で、日本側が一歩踏み出して、尖閣諸島の領有権を主張したという状態のようだ。そこで中国側が懸命に巻き返した。

当然、一歩踏み出すにはそれなりの見込みがあったと思われるが、下記の記事を読む限り、かなり甘い見通しでやっているように見える。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100924-728653/news/20100927-OYT1T00005.htm

 船長釈放を発表した24日、首相官邸には楽観論が満ちていた。政府筋は「中国の反発は一気にしぼむはず」と語り、首相側近は「この先の中国の動きを見て評価してほしい」と自信たっぷりだった。

 だが、事実上の「政治決断」は外務省幹部らにも事前に相談されていなかったため、結果的に「首相らは中国側と落としどころを調整せず、根拠なく事態が収拾すると楽観していた可能性が高い」(外務省関係者)との見方も出ている。

簡単にいえば、切り札をただで渡したということだ。さて、次は日本政府が、拘束されている4人の日本人をどうやって救出するか、その手腕が試される。一番単純なのは、日本国内の不法滞在中国人を一気に大量に逮捕して、4人と交換することだが、そんな荒っぽいことが彼らにできるのかどうか。とにかく、お手並みを拝見したい。