2008年5月21日は記念すべき日になった。マンチェスター・ユナイテッドがモスクワで開催されたUEFAチャンピオンズリーグ勝戦を制して欧州王座に輝いた。

対戦相手は、これまたイングランドチェルシーチェルシーマンUは、今季のリーグ戦でも最終節まで優勝を争った因縁の間柄。プレミアリーグマンUが制したので、来年、CLで連覇の可能性もある。

21日のCL決勝戦はITV1で全英に生中継された。本当にハイレベルで互角の試合だった。結局、1−1で延長を終えたあとのPK戦(shoot-out)を6-5でマンUが制し、ほんとうに紙一重で勝った感じだ。試合中には、お互いにほかにも決定機を何度が作ったがものにできなかった。モスクワの現地時間では終了が午前1時過ぎだったらしいけど、イギリスでの終了時間は午後10時過ぎだったので、完全にイギリス(またはヨーロッパ)の視聴者向けに試合時間を設定したのでしょう。

特に感動的だったのはPK戦。マンU3人目のクリスチャーノ・ロナウドが止められ、5順目に入る時点では4-3でチェルシーがリードしていた。先攻のマンUの5人目が決め4-4に。ここでチェルシーの5人目キャプテンのテリーが決めればチェルシーが勝利するところまでいった。チェルシーの手がCLカップにほぼ届いた瞬間だった。あとはつかむだけ、という状況で、なんとテリーがキックの瞬間に軸足を滑らせ、蹴ったボールはゴール右隅に決まるコースからわずかずれて、ポストをたたく。逆を突かれたキーパー・ヴァンデルサールが呆然としたあきらめの表情から歓喜の顔に変った瞬間だ。これで、4-4となり、振り出しに戻る。こうなると先行のマンUが有利。先に決めて、後攻のキッカーに常にプレッシャーをかけられる。チェルシー6人目はなんとか決めたが、7人目のアネルカがヴァンデルサールに止められて、ゲームセット。本当にタフな試合だった。

この優勝で街中大騒ぎ、と言いたいところだけれどなぜか比較的静かだ。先週のスコットランド人来襲のときの方がうるさかった。一晩中酔って叫んでいる声が聞こえたけど、いまいち盛り上がりに欠ける。一夜明けても、街は普段の日と変わらない木曜日だった。