記念に書いておきます。

2006年9月16日に戦後初の本格的政権交代により鳩山内閣が発足しました。この歴史的変革を日本で体感できないのは少し残念な気がします。明治維新以来の大変革という人もいますが、本当にどのぐらい(良い方向に)変わるのか見守りたいと思います。

自民党も野党になったとは言え十分大きな政党ですので、今後も政権に対するチェック担当として十分活動が期待できるわけですが、次の総裁候補に困るほど人材難なのはどうしてなのでしょう。いい人もいるわけですが、一方、民主党には将来総理大臣になってもらいたい思わせるような魅力のある人たちが何人もいるのと比べると少々見劣りします。世襲の弊害なのでしょうか。

個人的には民主党自民党も最近言っていたことはあまり違わないような気がします。新自由主義からの脱却と景気回復、子育て支援、雇用・年金問題の解決などなど。とにかく今はヨーロッパのあるひとつの国をモデルにして、その方向へ向かって舵を切っていってもらえることを望みます。たぶん、デンマークかその他の北欧諸国あたりがいいのではないでしょうか。イギリスにも社会システムとしては参考にできるもの(例えば、医療制度のNHSへの一元化や個人向けの非課税投資枠ISA)もありますが、アメリカ型のぼろ儲け経済に毒されていますのであまりお勧めしません。

日本にいるとどうしてもアメリカからの情報が多くなりますので、アメリカの真似をしたくなりますが、はっきりいってアメリカは建国300年ぐらいの若い国で、健康保険や年金、労働環境など社会システムについては未整備の後進国です。一部の資本家に非常に都合のよい社会になっています(いつでも従業員を無条件で解雇できる等)ので、グローバルスタンダード(本当はアメリカンスタンダード)を目指すといいながら真似したくなる日本の富裕層がいるのはわかります。ただ、日本のように成熟した国とアメリカは状況が違います。日本人のメンタリティにアメリカの完全自己責任主義は合うとは思えないのです。今、日本が手本にすべきはヨーロッパの国の社会システムです。そうしないと、日本でこの10年におきたように一部の濡れ手に粟のスーパーリッチの登場とともに、その反動で中流以下の人たちがどんどん貧しくなるという傾向がこれからも加速してしまいます。以前日本でバスの中で、パート帰りらしきお年寄りが「生活が苦しい。いつから日本はこんな国になったのかねぇ」としみじみ語っているのを聞いて暗い気持ちになりました。最近、大部分の日本人が昔より生活が苦しくなったと感じているわけです。日本の国際収支がそんなに悪化しているわけではないのですから、富の分配に問題があるのは明らかです。富裕税1%とかうまくかけられればいいんですよね、本当は。なかなか資産の把握が難しいので、個人用のISAの導入に合わせて、利子や株式配当に対する税率を50%ぐらいにしてもいいかもしれません。