どうもインフルエンザというのは日本人の不得意科目のようです。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/news/20090915-OYT1T00615.htm

新型インフル「陰性証明」求め無用受診殺到


 新型インフルエンザの流行が広がる中、「感染していない」証明のために簡易検査を求める人の受診が相次ぎ、医療現場で混乱を招いている。

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 日本小児科学会長の横田俊平・横浜市立大小児科教授は「このままでは検査キットが足りなくなり、ピーク時に重症の患者の検査に使えなくなる危険もある。必要のない検査は控えてほしい」と呼びかけている。

まったくあほらしいとしか言いようがないです。感染してない証明書なんて常識的にみて書いてもらえるわけないですし、書いてもらったとしても医学的にはま〜ったく意味がないです。だって、検査したときに発病していなくても実は保菌者かもしれないですし、検査した直後に(病院で)だれかにうつされるかもしれないわけです(経験上、インフルエンザは一回でも発病者の咳を吸い込むとほぼ確実にうつりますので、わざわざ健康な人がうつされに病院に行っているようなものとも言えますね)。機内検疫のときに、機内ではウィルスが検出できなかったけど、その後発病したケースがいくもあったじゃないですか。覚えてないのでしょうか。インフルを発病したあとに治癒した証明なら意味があります。それに、こんなことに数に限りのある迅速検査キットやPCR検査装置をつかっていたら、本来のインフルエンザ発病者への対応が不可能になります。

どうしてこんな単純明快なことがわからないのでしょうか。こんな話イギリスでは聞いたことがありません。あまりにも非科学的・非論理的でおそまつです。マスクの件といい、機内検疫の件といい、ほんとうに論理的・科学的思考ができない人や組織が多いのですね。以前にも書いた日本社会特有のゼロリスク症候群がまた発病しているようです。発熱や咳などの症状がなければ、かかってないのと同じです。だって検査しても発病するまではほとんどの場合ウィルスが検出できないんですから。インフルエンザの非感染証明は、本人の体温と症状についての自己申告書で十分です。一方、熱があれば休んで治療を受けて自宅療養。これで十分。これ以外の方法は思いつきませんです。

学校や会社がそういった証明書の提出を求めることがそもそもの原因のようですが、そんなもの求める側も判断力の欠如としか思えませんが、言われた方も、みんな素直に従うから話がおかしくなるわけです。ちゃんとおかしいものはおかしいと理をつくして反論する文化がないのがいけないのでしょうかね。少しフランス人に手ほどきしてもらったらいいかもしれません。