知り合いのアメリカ人が日本の外交について不思議がっていました。

日本の政府(自民党のとき)は、ブッシュ政権のときにアメリカの外交政策を全面的に支持していたのに、オバマ政権になってもやっぱりその外交政策を支持するという。ブッシュとオバマでは180度違う外交政策なのに、どうして両方賛成できるんだろう、と。

アメリカ人にとって、自分の意見を持つというのは当たり前で、かつ重要なことですから、まったく異なる2つの立場について賛成する日本政府が理解できないのでしょう。普通は、その国の外交政策を持っていて、それとあっていれば支持するし、違っていれば反対する、というものでしょう。まあ、フランスのようにアメリカに何でも反対するのもまだ逆に理解されないのでしょうが。

日本も民主党になってちょっと変わってくるかもしれませんが、アメリカの政策はなんでも賛成というのでは、逆に相手にされなくなります。この点、中国は本当にうまくやっています。いまアメリカの頭の中には、世界はアメリカとEUと中国により統治されるというイメージができ上がっています。日本ってなに?という感じです。

ただし、日本の存在感を出すためには、アメリカ批判をすればいいというものではありません。気をつけなければいけないと思うのは、アメリカの政策を批判するときに、「アメリカのグローバリズムにより日本経済がおかしくなった」といっては絶対にいけないということです。この言い方はアメリカ人の心に響かないどころか、ただの反米宣言に聞こえます。そうではなく「ブッシュ政権のときの行き過ぎた新自由主義が日本経済をおかしくした」と言うべきです。このあたりの言葉づかいは、気をつけないといけません。特に、政権に近いひとたちは。

いまだに共和党政権のときの元アメリカ政府関係者がアメリカの代表のような顔をして、民主党の政策にコメントしていることがあるようですが、彼らは過去の人であって、現在のアメリカ民主党政権とは別のチームの人たちですので、そのあたりはよく見分けないといけません。アメリカに批判されたと受け取らず、旧共和党政権のひとはちはこういう意見だが、私たちはそう考えていないという風に対応していくべきでしょう。

最近オバマさんは支持率が下がっていて、その理由が「オバマはソーシャリスト」だ、というキャッチフレーズがアメリカ国内で広まっているからだそうです。国民健康保険を導入しようとしているのがその原因なのですが、そもそも健康保険に反対するという人たちの気持ちも理解不能ですが、それはさておき、「国民健康保険をやろうとしているからソーシャリスト」だといわれてそれを信じているひとがいるようなのです。しかもソーシャリストとはなんだということを聞かれても答えられないひとたちが、だだそのフレーズを信じているわけです。アメリカでは社会主義すなわち悪ですからね。国民健康保険制度がいまのことろうまく働いている日本が、ここでオバマさんを援護射撃してあげられるといいのですが。次の政権の人、なにかいい手を考えてみてください。「日本は社会主義じゃないけど、国民健康保険はうまくいっている」といった意見広告をアメリカの主要新聞にうつとか… たとえばこんな感じ?

意見広告(案)

わたしたちは日本民主党です

1.オバマ政権の国民健康保険を支持します。
  日本は社会主義ではないけど、健康保険はこんなにうまくいってます 云々

2.オバマ政権のイラクアフガニスタン政策を支持します。
  イラクからの撤退とアフガニスタンへの支援は 云々

3.内需拡大により努めます。
  ○○兆円の子育て支援、景気刺激策により、国内消費を 云々

4.行政財政改革により赤字を削減します。

5.日米および東アジア各国との相互信頼関係をさらに発展させます。
  日米同盟を基軸にしつつ、東アジアの安定と発展のために東アジアの各国との連携を深め 云々

などなど。。。。

かなり妄想っぽいですかね?

政策秘書ってこんなことも考えるでしょうか? 選考採用審査認定に必要な条件の4項目のうちの3項目ぐらい満たしているのだけど。:-)