イギリスの金融株が急上昇中です。

Barclaysの決算が10日後ぐらいに出るらしいのですが、2008年の通期決算は、すべての損失を計算にいれた上でも53億ポンド(約7000億円)以上の黒字になりそうだという報道があります。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aBprJVc2QOJ0&refer=jp_japan

バークレイズ株は評価損と増資への懸念から、今月に入り先週末までで 66%下落していた。同行はまた、決算発表を2月9日と、従来予定していた同月17日から前倒しすることも明らかにした。08年通期は税引き前で53億ポンド以上の黒字との概算もあらためて示した。

Lloyds TSB もHalifaxを救済したために株価が下がっていますが、もともとはムーディーズの評価はAaaでしたので、これから業績が回復していくかもしれません。

それにしてもイギリス政府は着実に施策を打っています。不良債権の買取機構も準備しましたので、あとは淡々と損失を処理していくだけです。住宅ローンの焦げ付き防止対策も打ってあります。ただし、イギリス政府自体の財政赤字が膨大になっていますので、銀行が大丈夫でもポンドがだめになる可能性は多少残っています。短期的にはドルとの通貨スワップも無限に可能ですので外貨がショートすることはないはずですが。それにイギリス政府の財政はこれまでかなり健全でしたので、今回の赤字を含めても日本の財政赤字よりもはるかに軽いのです。

これ以上のポンド安は個人的にも困りますので:-)、そろそろ上昇トレンドに入ってほしいところです。

それから、誰かが損したのなら、その分を誰かが儲けたはずだということを考えると、アメリカの金融危機というのはまったくの虚構で、実は、巨額の利益が出ている会社・人が相当数いることになります。もちろん赤字の会社もあるのでしょうが、それを超える莫大な黒字の会社や個人がたくさんいるはずです。一説には、利益をオフショアに隠しているんだという陰謀説のような話もありますが、果たして真相はどうなのでしょうか。案外イギリスにも「勝ち組」ならぬ「勝ち逃げ組」が結構いるのかもしれません。