急激な円高でかなり驚いています。

購買力平価Purchase Power Parityという考え方にそって、いくらぐらいの為替レートが適切かを調べてみました。
情報ソースはOECDの調査結果です。
http://stats.oecd.org/wbos/Index.aspx?datasetcode=SNA_TABLE4

購買力平価をもとにした各通貨のレートです。ドル基準から円基準に計算しなおしておきました。








county20002001200220032004200520062007
Australia11811210810398938884
Switzerland8481817977747372
New Zealand107101989389848278
United States155149144140134130124120
United Kingdom243238229218213204195186
Euro area175171165159154150145142
(見易さのため小数点以下四捨五入)

こうしてみると、1ポンド180円ぐらいが正しい位置のようです(現在125円ぐらい)。しばらくはポンドを大量印刷することになるのでこの値にはすぐには戻らないかもしれませんが、そのうちまたこの線に戻るでしょう。

こちらの大学教授の年収が5万ポンド弱ぐらいのようですから、まあ1ポンド200円ぐらいが妥当なような気がします。

イギリスには金融以外に大した産業がないというのは間違いではないですが、そういう意味ではアメリカ、日本、ドイツあたりを除けばほとんどの国には大した産業がないとも言えます。そして、金融は大した設備がなくてもやっていけるので、人材がいれば簡単に再度立ち上げられます。

やっぱり依然として日本の人たちは対岸の火事のような見方ですが、当面は円高に順応していればいいでしょうが、万一世界恐慌になったときに、本当にやばいのは加工貿易でなりたっている日本であって、最悪日本の製品がまったく海外で売れないということもありうるわけです。不況になれば、多くの人が品質や機能よりも価格を基準に物を買うわけですから生産費用が安い国に顧客をとられることになります。しかも製造業は巨大な設備投資が必要ですから、金融や情報産業と違って簡単にやめたりはじめたりできません。

世界的な混乱を避けるためには新しい基軸通貨の導入しかないでしょう。

  • IMFの元に国際決済用の新しい通貨を新設(紙幣は発行しないで電子マネーとして)。
  • 最初の1年程度ドルと連動させて、その後管理通貨方式を経て変動相場制に移行する。
  • この連動期間のうちに通貨が異なる国の間での取引は新通貨をベースに切り替える。
  • IMFと希望する国の間で、経済規模に応じて10〜20兆円程度の通貨スワップを半年更新ぐらいで提供。
  • 世界の金融安定のため新通貨は当面必要なだけ発行できることにしておいて、後ろだてとして、加盟国は何かの形でIMFに資金提供をすることを義務付ける。
  • 貢献の規模と内容により国連安保理常任理事国を拡大

こんなところでしょうか。よくわかりません。