日本では新型インフルエンザを水際でくいとめようとかなり極端な対応をしています。

世界中で機内検疫をやっているのは日本だけでしょう。常識的に考えて、感染してから発病するまでに帰国してしまうひともいるわけですから、(啓蒙的な効果もありますのでやっても無駄とはいいませんが)国内感染を少し遅らせられる以上の効果は期待できそうにありません。さらに、アメリカやメキシコ便以外の乗客はスルーしているのですから、かなり歩留まりが悪いはずです。

検疫する側とされる側の両方にかかる膨大な負担とその効果を天秤にかけて考えると、機内検疫はそろそろやめ時ではないでしょうか。抗ウィルス剤が効いて、弱毒性で、高齢者が免疫を持っている可能性が指摘されているのですから、あまりに強硬な対策は不要です。

たぶん行政は鳥インフル用のマニュアル通りに対応しているのでしょうが、前提条件が間違っているように思います。

それよりも、発病した人をすぐに治療する体制を整えるほうに人を割くべきです。

今回の対応がオオカミ少年にならないように気をつけなければいけません。この秋以降に第2波、第3波が来ると言われています。このとき、型が変化して、より危険度の高いウィルスになっている可能性があります。今回を教訓にして、より実効的な対応をしてもらいたいものです。