旧聞になりますが第2回目の金融サミットの会場はロンドンになりました。4月2日開催。

日本での開催を希望していたはずですが英仏に押し切られたようです。

マスコミにはあまり批判的な記事は出てないようですが、はっきりいってこれは日本外交の大失態です。本来は、前回の金融サミットをG8議長国であった日本で何が何でも開催し、日本のリーダーシップでこの金融危機を乗り越えて行くという流れを作る必要があったのです。それが日本の国際的立場を高め、世界のリーダー国の一員としての存在を示すことなのです。うまく立ち回れば円を国際決済通貨に格上げできたかもしれません。たとえば、円と各国通貨のスワップを提供することは簡単にできます。それを日本の企業との決済に使わせるとか、円をドルに替えて使ってもらうとかできます。

麻生さんは英語もできる外交通でブレーンに野上元駐英大使もついていたのですから、こんな体たらくになったことがとても信じられません。

というのは、議長国を取るというのは国際的な会議においては非常に重要なことで、前回の第1回金融サミットの会場をアメリカに譲ったのは愚の骨頂。次は日本に回してもらえると甘く考えていたとしたら、ちょっとお人好し過ぎます。たとえば、ヨーロッパのプロジェクトでミーティングの場所を決めるときには、どの国も自分のホームグラウンドを主張して、時には怒鳴りあい殴りあい一歩手前までいくこともあります。議長国というのはその会議をコントロールできる魔法の杖を持てるのです。

欧州はしたたかです。たぶん「G20議長国は英国」という筋論で日本の要望を押しのけたのでしょう。EU議長国の立場で強いメッセージを出し続けてきたサルコジ仏大統領と、今回の危機から世界を救った(かも)といわれるブラウン英首相が組むと日本など簡単にあしらわれてしまったのでしょうか。実際、日本が世界金融危機に対して取った国内政策はほぼゼロで、給付金をどうするかで政権の支持率が20%を切ってるようでは、「日本の政権は頼りにならない」と世界から見られても仕方がないでしょう。IMFへの10兆円提供はもちろん画期的で歓迎されていますが、その見返りに日本が何を得たのかが見えません。

次の金融サミットでは欧州勢が何か企んでいるかもしれません。たとえば、今後EUはユーロでの決済しか受けないとか言い出すかもしれません。日本の戦略は何なのでしょう。さすがに、次はお金だけ引き出されて終わりとはならないと思いますけど。こういうことって国会で誰か追及しないものなのでしょうかね。

金融恐慌の主犯のドルが強くてほかの通貨が地盤沈下する珍現象を快く思わない国も多いはずです。それもすべてドルが決済通貨になっているからですが、IMFの下に新通貨(bankor?)を設けるという議論が行われても不思議ではありません。そうなるとドル安の方向に流れてしまいますが。。。