海外生活でまず悩むのは携帯電話をどうするか。

海外で携帯を使うには大きく分けて3つの方法がある。

(1)日本の携帯を海外でそのまま使う
(2)海外の携帯電話会社から携帯を買って使う
(3)日本で日本語対応の携帯電話機を買って、海外の携帯電話会社の回線を使う

(1)は費用的に高くなるけど一番安直。ドコモなら海外での通信料も毎月の無料通話分で賄えるので多少安くなる。ただ、ショートメール発信が1件100円、i-modeはメールの大きさによるが50円〜と高い。i-modeメールは送信だけではなく着信にも発信と同程度の料金がかかる。通話も同様。イギリス内の該当携帯からイギリス内への通話は80円/分。日本からイギリスへの通話は、イギリスで受けている方に110円/分の着信料(国際転送料)がかかる。イギリス内から該当携帯に掛けてもらう場合には、掛けている人には、日本への国際電話料がかかり、受けている方には着信料がかかる。

(2)一方海外で現地の携帯を買えば現地価格で使える。イギリスでは同じ携帯会社間のショートメッセージは安いプランなら5P(11円)通話も5P/分程度(T-MobileのMates Ratesの場合)。プリペイド(Pay as You Go)なら誰でも買える。問題は、イギリスの携帯電話機では当然日本語が使えないこと。イギリスで販売されている携帯でもスマートフォンと呼ばれている機種の中には日本語化できるものもあるけど、マニアックな知識が必要だし、日本の携帯並みの使い勝手は望めない。

(3)日本の携帯電話機を海外の携帯電話会社の契約回線で使うためには、携帯の端末がSIMフリーでなくてはいけない。日本の携帯電話会社が販売している携帯電話機にはSIMロックがかかっているので、海外の携帯電話会社の回線(SIM)で使うことはできない。現時点で(a)日本でも海外でも使える携帯電話機で、(b)日本語入力・表示ともに携帯メーカーがサポートしていて、(c)SIMフリーという3つの条件を満たすものはNokia JapanのE61しかない。E61の日本語版は日本のNokiaでしか買えないため、海外で使うためには日本で買って持っていくしかない。

細かい話になるけど、Nokia E61は日本の携帯電話機の審査機関であるJATEに登録済みであり、ヨーロッパのCEマークも取っていて、かつ製造時点でSIMフリーとして設定されて販売されているものなので、まったくなんの法律的・道義的・契約的な問題がない日本語SIMフリー携帯電話機なのである。たとえば、イギリスで販売されている携帯電話機を日本語化して日本で使う場合には、その携帯電話機がJATEに登録されていないと、厳密には日本の電波管理法に違反する可能性がある。(とはいっても、実際には海外から旅行客が日本に携帯を持ち込んで使えないとなると、誰も海外から日本に来てくれなくなるので、現実的には問題はないのだろうけど)

日本語版E61をたとえばT-Mobile UKのプリペイドSIMで使う場合は、自動的にMMSやWebの設定もされる。しかもWe'n'Walkが適用されるので一日のデータ通信料はどれだけ使っても最大£1(よくわからないけど適用される機種が限られていてE61は対象製品。パソコンのモデムとして使ったり、IP電話として使うことは対象外)。SMSでもMMSでも日本語が通る。MMSはインターネットのメールアドレスへの送受信もできるけど、日本語のメールが文字化けすることがあるので、携帯からE-mailを使う方が安全。