今回はイギリス生活のポジティブな面について書いてみる。

旅行。イギリス国内にも観光ポイントはたくさんあるし、景色の綺麗なところが多い。ウェールズスコットランドイングランド湖水地方など。さらに、ヨーロッパ内ならほとんど日本の国内旅行感覚。飛行機もひとり数十ポンドぐらいのものが(運がよければ)見つかる。さらに、日本から行くとかなり遠くなるアフリカや中東なども範囲内。ヨーロッパに海外赴任になった家族は借金をしてでもヨーロッパ内の観光するとか。

ネットワーキング。といってもパソコンの話ではなく友達の輪の話。イギリスはいろんな国から人が集まってきているので、東西を問わずいろんな人と知り合える。それにともなって世界に対する見方も変わる。北米とは一味違う、ヨーロッパならではの国際感覚だ。

食べ物。外食はいまいちだけど、食材についてもワールドワイドで日本ではなかなか見つからないものがスーパーで買える。種々のスパイスやソース、食材の缶詰など。あまりにいろいろあって試してないものばかり。

マナー。とにかくイギリス人はマナーが良いので暮らしていて気持ちが良い。ドアを自分の次の人のために開けておいてあげるということから、歩道や通路を歩いていてもきちんと道をあけてくれる。ちょっと通行の邪魔をした人はすぐsorryと軽くあやまる。通路の真ん中で立ち話しているおばちゃんもいないし、スーパーの通路の真ん中にボーっと立っているおじさんもいない。こちらがすれ違い時に道を譲ると、逆にこちらに幅寄せしてくる人もいない。列に並んでいると、後ろからわざと軽くつついて、自分の番が早くくるようにプレッシャーをかけるひともいない。

イギリスの生活の理解が深まる。中学の英語の時間にイギリスをEnglandと習ったような覚えがあるが、実際は想像以上にイングランドスコットランドウェールズ北アイルランドが分離している。別の国と言っても良いぐらい。習慣や言語も違う。言語というのは言いすぎで訛りというべきだろうという声もあるが、スコットランドゲール語とかウェールズ語アイルランドゲール語は英語とは全く別の言語。それらの元にそれぞれの地域の訛りの英語がある。これぐらいあちこちで訛っていると日本語訛りも許容されるのではと思うぐらい(日本語訛りは多くの英語人は聞きなれないので分かりにくいようだけど)。サッカーのワールドカップイングランドスコットランドなどが別々にチームを作るのはサッカーの母国というよりも、もっと深い理由があるようだ。ある人に言わせると、4つの地域で1つのチームにすると、まとまらないから単独チームより弱くなるだろうとか。スコットランドマン島では独自の紙幣を発行している。

英語。もちろん教科書レベルだけではない生活英語に触れられる。やっぱり住んでないと触れない言葉もある。till とかあまり使わないよね(イギリスではお店のレジのこと)。

教育。日本ではなかなか学べない分野でイギリスが強い分野もあるので、イギリスの修士、博士を取れればある種のステータスになる。現実問題としてイギリスの学位があると急にばら色の世界が保証されるということではないけど、新しい可能性が広がることは間違いない。

医療。まあ待ち時間(日数?)が長いとか、あまりちゃんと診察してくれないとかいろいろ不満はあるみだいだけど、どんな病気をしても無料で治療してもられるという安心感は大きい。知り合いは、世界トップレベルの外科医に手術してもらって無料だったとか。

気候。雨は多いが、冬は日本の東京ぐらいの寒さ。夏は最高でも30度ぐらいでとてもすごしやすい。しかも、地震がない。活断層もほとんどない。よって津波も来ない。台風も来ない。梅雨もない。竜巻もめったにない。雨は多いけど土砂降りというのもあまりない。しかも結構乾燥しているので、ちょっと雨にぬれてもすぐに乾く。よって、多少の雨では傘をささない人も多い。

社会保障。税金が高い分、社会保障はかなり手厚い。特にシングルマザーに対する補助金は、それだけで十分生活できるぐらい。無料の市営住宅も借りられる。子供が数人いると、子供への手当てなどあわせて年収数百万ぐらいになるとか。日本の消費税を20%ぐらいにして、児童手当を月10万円ぐらいにすると、すぐに少子化対策になるだろう。

治安。数字的に見ると全体的に日本よりは犯罪発生率が数倍は高いのだろうけど、最近の日本の異常な事件を見ていると、どこで安心して生活できるかというとイギリスかもしれない。見知らぬ子供を捕まえて、なんの意味もなく殺害して捨てるとか、橋の上から投げ落とすなんて事件はまともな社会では起きない。

そのほか。いまヨーロッパは統一に向かってゆっくり進んでいる。こういう歴史的瞬間を肌で感じられるのはとても貴重な体験だ。イギリスはEUからは少し引いていて、通貨もいまだにユーロではないけど、それでもEUの統一には影響されている。最近はポーランドからイギリスに働きに来る人が多い。次はルーマニアといわれている。ドイツとフランスは市民権まで共有にして、EUの中での地位を固めようと計画している。これにイギリスがどう対抗していくのか。