オミクロン対策

オミクロンの感染の急拡大が続いています。

その割には日本はパニックにならず落ち着いています。どうすれば感染を抑えられるかというとなかなか難しい状況です。

まずは、昨年の8月にデルタの感染が拡大したときにも緊急事態宣言などでは感染拡大が止まらなかったことを思い出さないといけません。デルタの感染力は基本再生産数が8ぐらいあるので、生活様式を変えただけでは絶対に収束しませんでした。社会生活をしている全国民が人と接する回数を10分の1ぐらいにしないといけませんが、生きていく上で、食糧を買い物にいったり、仕事にいったりすれば人と接しますので、10の1にするのは戒厳令レベルになります。結局、昨年はワクチンの接種率が70%を超えるぐらいから、ワクチンの予防効果によりデルタの感染は収束していきました。

オミクロンはさらにデルタの3倍ぐらい感染力があると言われています。基本再生産数は14ぐらいあるということで、これは麻疹(はしか)と同レベルで空気感染していないとこの数字にはならないと思われます。しかも、オミクロンに対してワクチンの予防効果が10分の1ぐらいに低下していますので、デルタのときのようなワクチンによる感染低下はほぼ見込めません。(重症化は以前と同じ程度防ぎますのでオミクロン対策としてワクチン接種は重要です)結局、現状ではある程度の感染者が出て集団免疫を持つしか感染を収束させる方法はありません。(治療法はあります)

実際、下のビデオの情報として、オミクロン新型コロナ*では感染者と非感染者が、布製のマスクをして同じ部屋1.8m以内**にいると27分で感染し、不織布マスクの場合は1時間で感染し、N95マスクをしていると25時間で感染するという。つまり、今までの保健所の濃厚接触者の基準は全く不十分ということ。マスクをして1m以上離れていても30分同じ部屋にいるだけで感染する可能性がある。

 

*この数値はデルタ前の数値でしたので訂正しました.1/24

**ソースを調べたところ同じ部屋ではなく6 feet以内でしたので訂正しました.1/24

 

www.youtube.com

マスクの効果に関するソースは↓ですが、あまり科学的な結果ではないようです。

https://www.acgih.org/covid-19-fact-sheet-worker-resp/

 

(この段落を削除1/24)

このことから考える と、マスクをしていても同じ電車やバスに感染者が乗っているだけで当然のごとく感染すると考えていい。空気感染するウイルスの飛沫核のサイズが2μmで花粉よりもはるかに小さい。PM2.5対応の不織布マスクでも不十分。

ということで、マスクで感染が防げた時代は終わり、基本的に社会生活をしているとどんなに気をつけていても感染するリスクは常にある。レストランの衝立やTV番組のタレント間のアクリルボードも効果もないと思った方がいい。現実問題とし、電車やバスでも感染する可能性が高まっているのだから、酒の提供を制限したり、店の営業時間を短縮しても感染拡大の防止に大差はない。現在、海外からの旅行者を無意味に制限して対策した気になっているが、実際は国内で感染が拡大している状況とそっくりだ。

 

(代わりにこの段落を追記1/24)

これまでの経緯から推定すると、アルファ株まではマスクで感染拡大を防げたが、デルタになってマスクだけでは防げなくなり、ワクチンの効果がプラスされて感染が収束したと考える。オミクロンがデルタの何倍かの感染力を持っていることを考えると、ワクチンによる免疫をすり抜けるオミクロンを止める方法はなさそうだ。デルタ前の基準のマスクをして15分以内なら感染しないという基準も、オミクロンの登場で怪しくなっている。オミクロンの感染力から考えて、アクリルボードで感染が防げるとは思えない。逆に言えば、マスクやアクリルボードで感染が十分に防げないからこそ、1日に5万人の感染者がでている。これまで経験的に感染のリスクが少なかった電車やバスの中でもオミクロンには十分に感染するリスクがあると考えるべきだろう。医療関係者や受験生など、絶対にオミクロンにかかりたくない場合は、人と接する環境では不織布マスクでは不安があり、N95マスクをすることになる。バイデン政権が4億枚のN95マスクアメリカ国民に無料配布しているのもN95マスクでなければオミクロンの感染を抑えられないことが分かっているからなのだろう。

結局、マスクをして、手を洗うぐらいしか対策はなく、それでもかなりの確率でオミクロンに感染する。ということは、これまで通りの生活をしながら、最悪、国民の1割ぐらいの1000万人(1日30万人×33日)ぐらいが今後1ヶ月のあいだに感染する社会情勢のなかで、どのように経済を回していくかを考えないといけない。1000万人感染するとたぶん、国民のほとんどが濃厚接触者になって自主隔離の対象になってしまう。日本での濃厚接触者の自主隔離はもうあきらめないと社会が破綻する。たぶん、今の感染対策を継続すると、感染者や濃厚接触者の10~14日間の隔離により欠勤が多発し、物流や警察・消防、スーパー、電車、飛行機などほとんどの社会インフラが実質的に麻痺していまう。ニューヨークでは、感染後5日で症状がなければ社会復帰させている。ただし、感染後5日経過してもウイルスが出ているので、N95マスクをつけることが必須。

幸いオミクロン株はデルタよりマイルドであり、社会を止めないといけないほど極悪なウイルスではない。